コーチングにおける質問力は、クライアントを目標達成へと導くための必須スキルです。
しかし、「何を質問すればいいのか分からない…」と悩んでいるコーチは意外と多いです。
そこでこの記事では、誰でも今すぐに使える「55個の質問リスト」を紹介していきます。
この記事は動画でも解説しています
コーチングは目標達成の手段

コーチングは、端的に言えば、クライアントを目標達成まで導くための手段です。
コーチングでは、コーチはクライアントに気付きを与える質問を投げかけることで、クライアントを目標達成へ導きます。
コーチが投げかける質問の質が高ければ、目標を達成するまでの道筋が明確になり、クライアントは目標達成率が増加します。
つまり、クライアントが目標を達成することができるかどうかは、コーチの質問力にゆだねられているのです。
コーチングを行う人を「コーチ」、受ける人を「クライアント」と呼びます。
質問の役割は"新たな気付きを与える"こと

コーチングで行う質問は、普段の生活で行う質問とは性質が異なります。
普段の生活では、自分の中にある疑問を解決したいときに、質問を行います。
一方で、コーチングではクライアントに対して、「新たな気付きを与える」、「思考を巡らせる」ために質問を行います。
「目標を達成した後は何をやりたいですか?」
「目標達成のために必要なことは?」
このようにコーチングでは、クライアントの知りたいことは、(気づいてないだけで)全てクライアントの中にあると信じて質問を行います。
コーチング成功のカギはコーチの質問力。
コーチの質問は2種類ある

実はコーチングにおいて、コーチは2種類の質問を使い分けています。
コーチが使い分けている質問の種類がこちらになります。
質問の種類
- オープンクエスチョン
- クローズドクエスチョン
それぞれの質問を抑えておきましょう。
オープンクエスチョン

オープンクエスチョンとは「はい」、「いいえ」で答えられない質問のことです。
オープンクエスチョンは、相手の思っていることを自由に話してもらうのに有効な質問です。
一方で考えを整理しながら話すので、話をまとめるのに時間がかかってしまったり、心を開いた相手でなければよい答えを引き出すことができません。
オープンクエスチョンの質問例
- お昼何食べたい?
クローズドクエスチョン

クローズドクエスチョンとは「はい」、「いいえ」で答えられる質問のことです。
クローズクエスチョンは答えを選ぶだけなので、比較的答えやすいのが特徴です。
一方でクローズクエスチョンは、クライアントの真意が見えずらいというデメリットがあります。
クローズドクエスチョンの質問例
- お昼ご飯食べた?
オープンクエスチョンとクローズクエスチョンを使い分けてクライアントの本音を引き出します。
コーチングの流れ

コーチングは次の4ステップで進めていきます。
コーチングの進め方
- 現状を確認する
- 目標を設定する
- 現状と目標のギャップを確認する
- アクションプランを設定する
コーチングは上記の流れで進むのが基本ですが、実際は1~3を行ったり来たりを繰り返すことがほとんどです。
コーチングに正解はないので、クライアント一人ひとりの状況に合わせて、臨機応変に進めていきましょう。
コーチングに正解はありません。
クライアントが100人いたら、100通りのコーチングがあります。
現状を確認する
コーチングでは最初に相手の現状を確認します。
クライアントの悩み、問題、困っていること、現在行っている行動、価値観などを整理しましょう。
現状の問題や困りごとを確認します。
目標を設定する
現状を確認したら、クライアントの目標を設定します。
クライアントが求めている結果や理想とする状態を明確にしましょう。
目標やなりたい自分をイメージしましょう。
現状と目標のギャップを確認する
目標を設定したら、現状と目標のギャップを確認します。
クライアントの目標を達成するうえで、障害となっている事象や、とるべき行動を全て洗い出しましょう。
目標を達成するのに必要な行動を挙げましょう。
アクションプランを設定する
現状と目標のギャップを確認したら、目標を達成するための行動、いわゆるアクションプランを設定しましょう。
前のステップで洗い出した、目標を達成するための行動に優先順位をつけてアクションプランを決定します。
「何」を「いつまでに」行うのかを明確にしましょう。
現状を確認するための質問例

「現状を確認する」ステップで利用できる質問リストがこちらになります。
現状を確認するための質問例
- 1.今抱えている悩みは何ですか?
- 2.その悩みはいつから感じていますか?
- 3.その悩みから派生した新たな悩みはありますか?
- 4.普段はどのようなお仕事をされていますか?
- 5.そのお仕事を選んだきっかけは何ですか?
- 6.これまでどのような仕事をしてきましたか?
- 7.以前のお仕事をやめようと思ったキッカケはありますか?
- 8.何をしているときが、最もいきいきしていますか?
- 9.先週のお休みは何をして過ごしましたか?
- 10.毎日の習慣は何ですか?
- 11.尊敬している人は誰ですか?
- 12.尊敬しているポイントは何ですか?
- 13.こんな風になりたいとあこがれている人はいますか?
- 14.今挑戦しようと思っていることは何ですか?
- 15.やりがいを感じる仕事は何ですか?
- 16.今のいきいき度は何%ですか?
目標を設定するための質問例

「目標を設定する」ステップで利用できる質問リストがこちらになります。
目標を設定するための質問例
- 17.達成したい目標は何ですか?
- 18.目標を達成したら何をしますか?
- 19.目標を達成したらみんなは何て声をかけてくれますか?
- 20.その言葉を聞けたらあなたは満足しますか?
- 21.目標を達成した未来の自分は今自分に何て声を掛けますか?
- 22.あと1週間しか生きられないなら何をして過ごしますか?
- 23.どんな変化を望んでいる?
- 24.宝くじが当たったら、何をしますか?
- 25.何かを犠牲にしても叶えたい夢はありますか?
- 26.コーチングを申し込んだきっかけは何ですか?
- 27.3年後の自分は何をしていると思いますか?
- 28.今までで一番うれしかったエピソードは何ですか?
- 29.時間を忘れてしまうくらい熱中したことはありますか?
- 30.なりたい自分はどんな自分ですか?
- 31.他人をうらやましいと思うときはどのような時ですか?
- 32.1年後何ができるようになっていたい?
- 33.周りからはどんな風に思われたい?
- 34.どんな変化を望んでいる?
現状と目標のギャップを確認するための質問例

「現状と目標のギャップを確認する」ステップで利用できる質問リストがこちらになります。
質問例
- 35.目標と現状のギャップの原因は何だと思いますか?
- 36.あなたの行動を妨げているものは何ですか?
- 37.目標を達成するべきにやるべきことを思いつく限り教えてください。
- 38.目標を達成するために辞めるべきことを思いつく限り教えてください。
- 39.目標を達成するために継続するべきことを思いつく限り教えてください。
- 40.目標を達成するうえで1番の障害は何ですか?
- 41.どんな知識や能力があれば達成できそうですか?
- 42.過去に似たような経験はないですか?
- 43.あるならその時はどうしましたか?
- 44.もし〇〇さん(尊敬する人)ならこんな時どうしますか?
- 45.周りの人はどのような行動をあなたに期待していますか?
アクションプランを設定するための質問例

「アクションプランを設定する」ステップで利用できる質問リストがこちらになります。
質問例
- 46.今日から始める行動は何ですか?
- 47.その行動はいつまでにどこで誰と行いますか?
- 48.その行動の効果を高められそうなアクションはありますか?
- 49.その行動をとるとどんな変化や進展がありますか?
- 50.その行動をとった後は何を行いますか?
- 51.次回のコーチングまでに得ることができる成果物は何ですか?
- 52.今日から辞めることは何ですか?
- 53.1番優先順位が高い行動は何ですか?
- 54.2番に優先順位が高い行動は何ですか?
- 55.どの順番で取り組むのが効果が高そうですか?
本音を引き出す3つの質問

ここまで、今すぐ使えるコーチングの質問リストを紹介してきました。
質問リストで紹介した質問を行った後に、次の3つの質問でさらにクライアントの心の中を深堀りして、本音を引き出しましょう。
本音を引き出す質問
- 具体化する質問
- 広げる質問
- まとめる質問
上記の3つの質問を組み合わせることで、クライアントの内省を促すことができます。
上記の3つの質問で全体の質問の7割をカバーできます。
具体化する質問

具体化する質問とはクライアントの回答をさらに深堀する質問のことです。
具体化する質問例
- 具体的にはどんな行動ですか?
広げる質問

広げる質問とは、クライアントの回答を横展開する質問のことです。
広げる質問例
- 他にはありますか?
まとめる質問

まとめる質問とは、発散した内容を終息させる質問のことです。
まとめる質問例
- これまでの話をまとめるとどうなりますか?
まとめ

この記事では、誰でも今すぐに使える「55個の質問リスト」を紹介してきました。
クライアントに新たな気づきを与える質問を考えることは、コーチングの必須スキルですので、ぜひこの記事の内容を役立ててください。
また、クライアントに満足いただくためのコーチングを行うために身につけるべきスキルはまだまだたくさんあります。
このサイトにはコーチングに役立つ記事がまだまだたくさんあるので、ぜひほかの記事も参考にしてみてくださいね。