コーチングで誰かの目標達成をサポートしたい!と考えている方が増えています。
しかし、実際にやってみたら「なかなか成果が出ない...」と悩んでいるコーチも少なくありません。
そのようなコーチは、気づかないうちにコーチングの効果を下げてしまう「あること」をやっているかもしれません。
そこでこの記事では、私の実体験ベースの「コーチングのNG行動5選」を紹介していきます。
コーチングとは

コーチングとは「クライアントを目標達成まで導くための手段」になります。
近年なぜコーチングが、これほど注目されているのでしょうか?
その理由はコーチングには、これまで人材育成のベースとされていたティーチングにはない次のメリットがあるからだと考えられます。
コーチングのメリット
- 主体性が向上する
- 継続率が向上する
- 目標が明確になる
VUCA時代(物事の不確実性が高い時代)の現代においては、主体的に行動できる人材が重視される傾向が高まっています。
そのため、主体性の向上が見込めるコーチングは多くの企業の人材育成分野で注目を集めています。
コーチングを行う人を「コーチ」、受ける人を「クライアント」と呼びます。
コーチングは"質問"で"新たな気づき"を与える

コーチングではどのようにして、クライアントを目標達成へ導くのでしょうか?
コーチングでは、コーチが質問をすることで、クライアントに新たな気付きを与えて、目標達成をサポートします。
コーチングの世界では。クライアントが成長するための答え(ヒント)は、気づいてないだけで既にクライアント中にあると考えるのが一般的です。
コーチングとは、クライアントの中にある答えを、質問を通じてコーチとクライアントで探索していく作業と言えます。
コーチングを受けると自己理解が進みます。
コーチングの進め方

コーチングは次の4ステップで進めていきます。
コーチングの進め方
- step1. 現状を確認する
- step2. 目標を設定する
- step3. 現状と目標のギャップを確認する
- step4. アクションプランを設定する
コーチングは上記の流れで進むのが基本ですが、実際は1~3を行ったり来たりを繰り返すことがほとんどです。
コーチングに正解はないので、クライアント一人ひとりの状況に合わせて、臨機応変に進めていきましょう。
コーチングに正解はありません。
クライアントが100人いたら、100通りのコーチングがあります。
step1. 現状を確認する

コーチングでは最初に相手の現状を確認します。
クライアントの悩み、問題、困っていること、現在行っている行動、価値観などを整理しましょう。
現状の問題や困りごとを確認します。
step2. 目標を設定する

現状を確認したら、クライアントの目標を設定します。
クライアントが求めている結果や理想とする状態を明確にしましょう。
目標やなりたい自分をイメージしましょう。
step3. 現状と目標のギャップを確認する

目標を設定したら、現状と目標のギャップを確認します。
クライアントの目標を達成するうえで、障害となっている事象や、とるべき行動を全て洗い出しましょう。
目標を達成するのに必要な行動を挙げましょう。
step4. アクションプランを設定する

現状と目標のギャップを確認したら、目標を達成するための行動、いわゆるアクションプランを設定しましょう。
前のステップで洗い出した、目標を達成するための行動に優先順位をつけてアクションプランを決定します。
「何」を「いつまでに」行うのかを明確にしましょう。
コーチのNG行動5選

このパートではコーチングでやってはいけないNG行動を紹介していきます。
今回紹介するコーチングのNG行動をやっていると、クライアントを目標達成まで導くことはできません。
意外と気づかないうちにやっていることも多いので、ここでしっかりチェックしておきましょう。
コーチングのNG行動がこちらになります。
コーチのNG行動5選
- 進める順番を気にしすぎる
- クライアントの話を遮る
- アドバイスを送る
- 高すぎる目標を設定する
- アクションプランが明確でない
進める順番を気にしすぎる

コーチングのNG行動の1つ目が「進める順番を気にしすぎる」になります。
進める順番とは前パートのコーチングの進め方で紹介したstep1~step4のことです。
これは初心者によくあるのですが、コーチング経験が浅い人ほど先ほど、紹介したstep1~step4の進め方を守ることに固執する傾向があります。
実は先ほど紹介したコーチングの進め方は、必ず守らないといけないわけではありません。
コーチングの進め方に正解はありません。
先ほどのパートでは、説明しやすくするために便宜上step1~step4までの番号を振っています。
実際のコーチングセッションでは、各stepを行ったり来たりを繰り返して、最終的にアクションプランを決定します。
コーチングでは、最初に設定した目標が、対話を重ねるうちに別の目標になるということはよくあります。
例えば、最初は痩せることが目標だと思っていたが、実は異性にモテることが目標だったという具合です。
このように各stepを行ったり来たりすることで、クライアントの中に眠っている真の答えにたどり着くことができます。
クライアントの自己理解の進捗度に合わせて、臨機応変に進めましょう。
クライアントの話を遮る

コーチングのNG行動の2つ目が「クライアントの話を遮る」になります。
クライアントの話を聞いていると、途中で疑問やツッコミが浮かんでくることがあります。
しかし、このような場合でもコーチは相手の話を遮ってはいけません。
なぜなら、クライアントの話を遮るのは、コーチに求められる能力の1つである「傾聴」に反するからです。
傾聴はこちらの記事で詳しく解説しています。
傾聴とはクライアントの言葉に全力で耳を傾け、心の声を受け止める能力になります。
コーチングではこの傾聴を特に重要視しています。
なぜなら、傾聴を行うことで、クライアントの本心を引き出すことができるからです。
仮に自分がクライアントになったことを想像してみてください。
自分が話してる途中で、「それって○○ってことですか?」や「それってさっき言ったことと矛盾しませんか?」などと疑問やツッコミを入れられたら、話す気が失せてしまいますよね。
クライアントと信頼関係を構築し、本音を聞かせてもらうためにも、クライアントの話は最後までしっかり聞くようにしましょう。
話を聞いているときは、相づちやうなずきもお忘れなく
アドバイスを送る

コーチングのNG行動の3つ目が「アドバイスを送る」になります。
クライアントの話を聞いていると、途中でアドバイスを送りたくなることがあります。
しかし、このような場合でもアドバイスを送るのはNGです。
これはコーチングの本質とズレてしまうからです。
コーチングではアドバイスを送りません。
アドバイスを送るのはティーチングに該当します。
コーチングと混同されやすい言葉にティーチングがありますが、アドバイスを送るという行為はティーチングに該当します。
簡単にティーチングとコーチングの違いを解説しておきます。
ティーチングでは、クライアントが成長するための答えをクライアントに直接伝えます。
一方でコーチングでは、クライアントが成長するための答えにたどり着くのをサポートします。
コーチングでは、クライアントが次にとるべき行動を主体的に選択するため、主体性および継続性が高まりやすいです。
そのため、アドバイスを送るのではなく、クライアントが自らの力で答えにたどり着くのをサポートしましょう。
ただし、クライアントが明らかに間違っている選択をしたときは、アドバイスを送ります。
アドバイスを送る場合も、「○○という選択肢もあると思うのですが、こちらも検討してみるのはいかがですか?」という風に、最終決定権はクライアントに託しましょう。
クライアントが自ら考えることで、主体性が向上します。
高すぎる目標を設定する

コーチングのNG行動の4つ目が「高すぎる目標を設定する」になります。
厳密には、コーチングで高い目標を設定するのは問題ありませんが、それだけでは成果は出ません。
なぜなら、目標が高すぎるとクライアントが挫折感を感じてしまい、モチベーションの低下にもつながってしまいます。
目標が高すぎるとやる気が出ない。
例えば、スキルもコネも0の状態からいきなり「1カ月で100万円稼ぐ」という目標を立てたとしても、ほとんどの場合、途中で挫折してしまうでしょう。
目標を設定する場合は、最終的な目標を大目標とし、大目標にたどり着くための小目標をステップごとに設定しましょう。
例えば、大目標が「1年以内にプログラミングで月収30万円を達成する」とした場合、1つ目の小目標が「プログラミングスクールに通う」、2つ目の小目標が「クラウドソーシングサイトで案件を受注してみる」、3つ目の小目標が「クラウドソーシングサイトで単価10万円の仕事を引き受けてみる」といった具合です。
小目標を設定するコツですが、次回のコーチングまでに達成できそうな目標を設定するのがよいです。
例えば、コーチングの頻度が毎月の方は、1か月で達成できそうな目標を設定するようにしましょう。
高い目標はいくつかの達成しやすい目標に分解しましょう。
アクションプランが明確でない

コーチングのNG行動の5つ目が「アクションプランが明確でない」になります。
コーチングでは、目標を達成するために取るべき行動、つまりアクションプランをクライアント自身で設定します。
しかし、このアクションプランが抽象的すぎると、期待した成果を得ることはできません。
なぜなら、明確なアクションプランがないと、クライアントは自分が次にとるべき行動がわからず、結果何もしなくなってしまうからです。
アクションプランが明確でないと行動に移れない。
例えば、アクションプランが「キャリアアップのための勉強を行う」だった場合、クライアントは「キャリアアップのための勉強って何すればいいんだ?」となってしまい、行動に移ることができません。
そのような事態を避けるためにも、コーチは「目標を達成するために何をいつ、どこで、どのように実行しますか?」と質問し、アクションプランを細分化していきましょう。
アクションプランが決まったら、「実現可能性は何%ですか?」と質問し、実現可能性が低ければ、さらにアクションプランを細分化していきましょう。
アクションプランはすぐ動けるようになるまで細分化しましょう。
まとめ

この記事では、私の実体験ベースの「コーチングのNG行動5選」を紹介してきました。
今回紹介した5つのNG行動は意識していないと、ついついやってしまうことも多いです。
クライアントのためにも、今回紹介した5つのNG行動を自分はやっていないかを改めて確認しておきましょう。
このサイトにはコーチングに役立つ記事がまだまだたくさんあるので、ぜひほかの記事も参考にしてみてくださいね。